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TITLE

いのちの道のりを知る旅〜ひびきの黒豚農場研修〜

ひびきのハートマイレージ
生産者が「自信を持って提供できる」環境を学ぶ。

PROFILE
  • 橋本 雄二
    YUJI HASHIMOTO

    彩の国黒豚倶楽部 会長

ハートマイレージ®。
それは、ひびき®独自のトレーサビリティ。お客様を含めた「その食材に関わるすべての人」が、お互いにコミュニケーションのとれる仕組み。
ひびきでは、お客様にも自らの声が生産者に届くことで、自分も食の安心を支えるひとりだという気持ちを育んでいただき、コミュニケーションの輪の中で、食を通して、全ての主体者が前向きになっていける新たな時代の関係づくりを目指している。

2018年3月8日(木)朝10時。

雨が降り、3月を過ぎたにもかかわらず厳しい寒さの中、埼玉県熊谷市にあるJR籠原駅に、10人のひびきのメンバーが研修のために集合した。今回の研修の目的は、お客様と語り合える美味しさを深めるために、ひびきの主力メニューの一つである「彩の国黒豚」について深く知ること。

生産者の方と直接コミュニケーションをさせていただくことで、ひびきの「ハートマイレージ」をさらに縮め、これまで以上に気持ちのこもった商品の販売を目指すのだ。

「彩の国黒豚」とは、イギリス系バークシャー種が原種の黒豚。埼玉県が推奨する埼玉県優良生産管理農場制度に基づき、優良種豚の導入・専用飼料・統一管理のもと、肥育・出荷がされている。ひびき®の各店舗では、「彩の国黒豚」を使用した絶品のやきトン、しゃぶしゃぶ、角煮などを味わうことができる。

初めて研修に参加した武田千代美(ひびき庵別館 埼玉スーパーアリーナ店)は、「子豚に会うことができる」と心を躍らせるのと同時に「食の現場を直接見ることで、その後、自分の食への感覚が変わってしまうのではないか」という怖れもどこかに抱いていた。

駅から車で10分ほど、彩の国黒豚倶楽部会長、橋本雄二さんの営む農場に到着。橋本さんは黒豚飼育歴約30年、家族と従業員計5人で年間約3000頭の出荷頭数の農場を経営している。橋本さんは、自分で生産した彩の国黒豚を皆さんに安心して食べていただくため、日々努力されているひびきの大切なパートナーである。

独自の飼料を直接見せていただき、研修メンバーたちはスマートフォンで写真を撮りながら真剣にメモを取った。
「人間と違って、豚は与えられたものしか食べることが出来ません。人間が美味しく食べるために、毎日同じ飼料を黒豚は食べ続けるんです。本音を言うと、黒豚の好きなようにしてあげたいんだけどね・・・」という橋本さんの言葉から、命のありがたさと食への懸命な気持ちが伝わってくる。
農場のある地域の匂いや雰囲気など、生産する立場の環境を体験し、周囲の理解があってこそ、農場の運営がなされていることを実感する時間となった。

再び籠原駅前に戻り、橋本さんの経営するレストラン「とんふみ」にて研修を再開。まずは揚げたての「とんかつ定食」を頂く。筋肉繊維がやわらかく一口で噛み切れる絹のような脂に一同感動。
「どのように衣をつけますか?」「揚げるタイミングは?」と女性メンバーからの止まらない質問に対して、とんかつ一筋30年以上の料理長から、調理方法に関するアドバイスを丁寧に頂いた。

食後、全農の中村敦也さん(全国農業協同組合連合会 埼玉県本部 畜産酪農部 部長) 、吉澤徹さん(全国農業協同組合連合会 埼玉県本部 畜産酪農部)による講義がスタート。彩の国黒豚の強みの1つである「食の安全」と「トレーサビリティ」についてお話を伺う。彩の国黒豚は、一頭から約50kgの肉がとれるが、食肉加工について枝肉ごとにバーコードシステムの元、徹底したトレーサビリティ管理を行っているのだ。

ひびき商品開発部、ひびき農場準備室顧問の島村和雄も「同一の飼料、管理の決まりを作り契約書を作ってきました。肉のカットの現場に立ち会い、消費者の皆さんに届けるまで人の目で細かくチェックしてきたんです」とここまでの苦労と想いを説明した。

彩の国黒豚は、国内に500以上あるといわれる銘柄豚の中で、「おいしさ」と「安全・安心」により、他ブランドとの差別化を図っている。
獣医師との農場巡回、地産地消の取り組み、イベントでのPR等の販売促進。黒豚は、生産者がそのまま加工・販売できないので、とちく業者、加工業者、小売店や店舗の創意工夫のもと、最終消費者までの道のりを辿る。

「ひびきの皆様も、研修で学んだことを活かして、是非、美味しい新商品を作り出してください」と中村さんからは、魅力的な商品開発への要望を頂いた。

最後にまとめとして、橋本さんから再びお話を伺った。

埼玉県の黒豚の歴史は100年以上。戦中・戦後、人間の食料さえ少ない頃も、何とか黒豚を生産し続けてきた努力がそこにはあった。
通常の豚の飼育期間は6ヶ月だが、彩の国黒豚は8ヶ月と長期間。

「臆病で神経質な性格なので、ストレスを最低限にするように日々接している。他の動物よりも動きが悪く、移動も出荷も手間がかかる」と語る橋本さん。

当たり前ではあるが、黒豚は生き物なので、生産者は休みが取れず人を雇うことも簡単ではない。

彩の国黒豚は飼料にもこだわりがある。一般的に使用されるとうもろこしは栄養があり成長にも効率がよく、味も甘く豚にとっても嬉しい。しかし彩の国黒豚は脂の色を黄色くしないために、また、じっくりと期間をかけてうまみを作り出すため、麦や芋類を中心に育てられている。
数知れない生産者のみが知る苦労を伺い、研修メンバーたちの表情も引き締まっていった。

「飼料を変えるたびに、関係者皆で何度も集まり、納得するまで豚の味を確かめた」と味へのこだわりに関して島村の証言が加わった。

「なぜ、ここまで苦労も多く、生産性も低い黒豚にこだわるのですか?」
石井剛(ひびき 坂戸駅前南口店)からの質問に、
「美味しいものを消費者にお届けしたいんです。美味しかったの一言で苦労が吹き飛ぶんですよ」と答えた橋本さんの言葉が、研修メンバー一同の心に深く残りながら、研修は終了した。

「今回の研修の内容を自分の中だけにおさめることなく、お店で、アルバイトさんに情報を共有します。お客様には「彩の国黒豚」の美味しさや秘密を今後はもっと自信を持ってオススメできるように、オススメトークや自分の焼きの技術も高めていこうと思います。皆様がこだわりをもって育てた「彩の国黒豚」が私たちの武器としてお店にあること、お客様に召し上がっていただいたときの笑顔を直接見られるこの環境にあることに感謝して、毎日の仕事に励んでいこうと思います」高橋明子(ひびき研修生)

主力商品として、ひびき®各店舗で提供されている「彩の国黒豚」。全農埼玉県本部と彩の国黒豚倶楽部の生産者の方々など、各関係者のつながりと努力がなければ、現在、この味を楽しむことは出来なかっただろう。

いつしか雨も止み、空には光が差し込み始めた。
生産者が「自信を持って提供できる」食品を扱える、その幸せを直接感じたひびきの研修メンバーたち。
一人ひとりが、よりプロフェッショナルとなり、生産者、お客様とのつながりを作り出し、距離を縮めていくために。 メンバーはやりがいと責任を胸に、それぞれの店舗へと向かって動き出した。

■黒豚研修概要

  • 【開催日】
    2018年3月8日(木)

    【講師】
    橋本雄二 様 / 彩の国黒豚倶楽部 会長
    中村敦也 様 / 全国農業協同組合連合会 埼玉県本部 畜産酪農部 部長
    吉澤徹 様 / 全国農業協同組合連合会 埼玉県本部 畜産酪農部

    【進行】
    島村和雄(商品開発部 ひびき農場準備室 顧問) 

    【研修参加者】
    大畠卓(ひびき庵別館 さいたまスーパーアリーナ店) / 石井剛(ひびき 坂戸駅前南口店) / 小川勇太(ひびき庵 みずほ台店) / 武田千代美(ひびき庵別館 さいたまスーパーアリーナ店) / 石井優(ひびき 丸広坂戸店) / 武内真(ひびき庵別館 東松山駅前店) / 野原大義(ひびき 丸広日高店) / 高橋明子(研修生)/ グルン・ニローズ(研修生) / グェン・ティラン(研修生)

  • 【研修会場】
    黒豚とんかつ・しゃぶしゃぶ とんふみ

    住所
    埼玉県熊谷市新堀781
    TEL
    048-532-4129
    FAX
    048-532-4127
    営業時間
    11:00〜14:30(オーダーストップ)
    17:00〜21:30(オーダーストップ)
    ※土、日、祭のみ21:00(オーダーストップ)
    定休日
    なし(年末年始のみ)
    URL
    http://www.tonfumi.com/

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